BluetoothキーボードでBIOSは使えないのか

前回の記事からまた空いてしまった。キーボードすったもんだの続き。

■Bluetooth HID デバイスの問題

Bluetoothのスタックはソフトウェアで実現されている。通常はOSのBluetoothスタックが読み込まれて、その後Bluetoothの接続デバイスが認識される。ペアリングはOS側の機能。要するに、一般的なPCだとBTキーボードとかBTマウスはOSが起動してから初めて使えるようになる。内部的には HID デバイスは BT スタックの上で実現される。

要するに、起動時にESCやらF1を連打してもBIOSメニューは起動しない。

「ちょっとした現場作業用にコンパクトなワイヤレスキーボードが欲しい」という目論見は、勉強不足によって脆くも崩れ去った。がっくり。

一方、例えばロジクールの Unifying レシーバーがどうなっているかというと、同じようなドングルの形をしていながら、そのハードウェア内でペアリングされる。ドングル自体が USB 複合デバイス+HIDキーボード(またはHIDマウスデバイスも) として認識される。これは通常の USB キーボードを挿した状態と同じに見える。つまり、イマドキの USB ネイティブな BIOS ではキーボードとして認識される。

■Bluetooth キーボードは本当に BIOS で使えないのか

同じ悩みを抱えている人はいるようで、こんな記事が見つかった。

BIOS 画面でもBluetooth LE な無線キーボードを使いたい

Bluetooth レシーバーの一つ、CSR (英 Cambridge Silicon Radio) 社の CSR8510 A10 というチップには、HID Proxy という機能があり、Bluetoothでペアリングした後に HID Proxy を有効にすることによって、USB – HID キーボード/マウス デバイスに見せかけることができる。

確認したところ、Logicool K380 と同時に購入した Bluetooth ドングル、サンワサプライ MM-BTUD44 は CSR8510 A10 チップであった。これならいけるかも。

Windows 10 から HID Proxy を設定する方法はない。専用のツールは Windows 7 までしか対応していないようだ。しかも CSR 社は 2015年に Qualcomm に買収され、ツール自体もサポートが終わっているらしい。

上の blog を参考に、設定するための Linux を用意した。USBデバイスに直接アクセスする必要があるため、Windows 10 上の VM ではダメだった。VM ゲスト側では USB デバイスが仮想化されてしまう。

そこで、USB メモリから起動する CentOS7 を作る。ノートPCで直接 USB boot し、ネイティブ CentOS マシンにする。bluez パッケージをインストールすると、CSRチップにアクセスできる bccmd が使える。

しかし、Logicool K380 をペアリングしてから HID Proxy  モードに切り替えても、キーボードの反応がなくなって認識されなくなってしまう。

ここで、上の blog タイトルを見てようやく気づく。Bluetooth LE、つまり Bluetooth 4.0 以上のデバイスでなければならないらしい。HID Proxy 自体が 4.0 の機能だそうだ。Logicool K380 は Bluetooth 3.0。仕様を満たしていない。

別解として、Logicool が以前に売っていた Bluetooth マウス専用ドングルを使うと、ハードウェアでペアリングできるという製品もあったようだ。これは10年ほど前に製造終了になっており、もはや入手不能。たまにヤフオクで流れて中古で 5000~7000円程度で、もはや伝説的なシロモノらしい。

‥‥ここまでまる2~3日ほど掛かっていたが、結論として、キーボード側の仕様でどうにも BIOS では使えないことが判明した。

■今後

結局 「現場に持って行きやすいコンパクトなキーボード」はするにはどうすればよいのか。

  • Bluetooth 4.0 以上のコンパクトキーボードを探す。
    → 3.0以下と 4.0 以上では後方互換性がないためか、そういう商品が見当たらない。
  • 独自ワイヤレス規格で、ドングルとセットのコンパクトキーボードを探す
    Logicool の Unifying 対応キーボードはなぜかフルサイズばかり。
  • 有線 USB ミニキーボードを購入。
    → 間違いなく解決するんだけど、少々萎えている

とりあえず、K380 はキーボードとしては悪くはないので、常時設置用キーボードとして会社で使うことにした。机が広くなるのはよい。