要旨

前の記事 Hugo で blog サイトの作成: 経緯編 を書いてから、4ヶ月ほど迷走してたどり着いた現状を書いておく。

基本構成

サービス 第1世代 第2世代 第3世代 第4世代
個人ドメインのレジストラ ムームードメイン ムームードメイン ムームードメイン Cloudflare Registrar
公開DNSサービス No-IP.com No-IP.com No-IP.com Cloudflare DNS サービス
blogシステム tDiary Wordpress Hugo Hugo
公開Webサービス 自宅サーバ(物理) 自宅サーバ(VM) Netlify Cloudflare Pages
blog ビルド用リポジトリ GitHub GitHub

変遷

第1世代

  • 自宅 Linux サーバで tDiary による「yamk日記」作成
  • No-IP で動的 IP サービス+個人ドメイン公開に対応。ISP 変更や引っ越しの影響を受けないようにした
  • CMS なので高負荷に弱い

ブラウザ上で記事が直接書けるのは画期的で便利だった。

第2世代

  • 自宅 Linux サーバで、Wordpress による「yamk blog」公開へ切替
  • その後 HDD 障害により全滅

ブラウザ上で自由にレイアウト確認や画像アップロードできる。 Wordpress は普及率が高いためか、コメント SPAM が多いのが悩みだった。SPAM抑制のための有償サービスもあったが、本末転倒な気がしていた。 PHP のチューニングも大変。

第3世代 (2020年6月~2024年9月)

第3世代 blog環境構成
  • 記事の執筆は自宅 Windows PC
  • 記事フォルダ全体を Dropbox でバックアップ
  • 記事のプレビューと調整はローカルの HUGO.EXE で実行
  • 書き上がったら GitHub リポジトリに Push
  • Netlify でサイト公開
    • Github の連携サービスにより、Netlify 側に Hugo のレポジトリがダウンロードされ、Hugo でビルド後自動公開

記事が壊れにくく、将来も保全される Markdown ファイルベースの SSG “Hugo” に移行。記事の書きにくさはあるものの、長所を優先。

第4世代 (2024年9月~)

第4世代 blog環境構成
  • blog 執筆/ビルド用の Linux サーバ (自宅VM) をマスターとする
  • 自宅 Windows PCから、Visual Studio Code の Remote Development エクステンション経由で、記事をリモート編集
  • 記事のプレビューは、執筆/ビルドサーバ上で hugo server を起動し、作業用 PC のブラウザで確認
  • 書き上がったら、執筆/ビルドサーバ→ GitHub リポジトリへ push
    • Windows の VScode 経由でリモート push できる
  • Cloudflare Pages でサイト公開
    • Github の連携サービスにより、Cloudflare 側に Hugo のレポジトリがダウンロードされ、Hugo でビルド後自動公開

円安の影響で、no-ip.com と ムームードメインがジワジワと値上がり。特にムームードメインが GMO 買収の影響なのか「サービス維持調整費」なる事実上の一方的値上げをするようになった。 blog に関連するサービス契約が多すぎたため、Cloudflare に 魂を売った 集約した。

第3→第4世代 移行の変化

  • 複数にまたがっていたサービスを、GitHub と Cloudflare の2つに集約できた
  • わかりにくい「サービス維持調整費」がなくなり、年間ドメイン継続費を少し節約
  • 公開 DNS サービスが無料に
  • 記事のマスター保全とプレビューを Linux サーバ側に分離したことにより、PC が不安定になっても執筆環境が保全される
  • 記事のバックアップは GitHub で安心
  • 2台の PC で git と Dropbox との併用し、ファイルが巻き戻る事象が出たため Dropbox 側はやめた
  • 執筆用PCは VScode さえ入っていればよいため、複数のPCで共有できる
  • Cloudflare DNS は爆速
  • Cloudflare は CDN なので、世界中にサイトががコピーされ地理的最短距離でアクセスされる
  • Cloudflare Pages は HTTP/3 (QUIC) 対応で爆速

結果として Cloudflare に魂を売ったかもしれないが‥‥、IPv4枯渇により自宅サーバ公開が困難になってゆくので安価で品質の高いサービスを渡り歩くしかない。 幸い、SSG (静的サイトジェネレーター) であれば Web 公開コストは抑えられる。執筆のハードルは高いため Wordpress のようなお手軽さはないけど、個人メモの長期保全には有利だと思う。